短冊


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労働の手からこんな美しい字が生まれるんだ・・・


妹から五月に亡くなった伯母の短冊が送られてきた。享年98歳。これを詠んだのはいつ頃だろうか。耳は遠かったが、足腰は丈夫で、日高の浜で長男と孫の船を待ち、上がって来た魚を組合へ運ぶ、加工するなど、浜の仕事を長く手伝っていた。

若くして海で夫を亡くし、四人の子どもを育てなければならない時代があった。そんななかにあっても長女として母たち兄妹らへの気遣いを忘れなかったそうだ。おおらかで肝の座った人だった。

この歌は晩年の作だが、短歌は辛い時代の伯母を支え続けていたのではないかと思う。いつかゆっくり伯母の歌を読みに日高を訪ねてみたい。


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