恵那山(2191メートル/日本百名山90座目)


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前泊した萬岳荘は、ログキャビンの清潔な山小屋だ


恵那山の山地図を買ってから五年が過ぎた。眺めてばかりでもしょうがない、そろそろ登ろう。アプローチは長いが、危険の少ない神坂峠からのコース(往復約11時間)を選び、福岡の友人Sさんを誘った。二つ返事があって、計画が進み、梅雨の晴れ間の二日間、久しぶりに手応えのある山行を楽しんだ。


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夕食はちょっとリッチに


出発地点の標高が1600メートルで累積標高差1300メートル。つまり登りと下りで、それぞれ約1900メートルずつ。早寝をして、朝3時半に起床し、簡単な食事をして四時過ぎに出発。


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少し登ったところで素晴らしい朝焼けが始まった。二人でしばらく眺める。朝日は生きていることの実感そのものだ。森と笹尾根の道を辿りながら、6つのピークを越えてゆく。湿度がハンパナイ。水分をいくら補給しても滝のような汗が流れる。五時間程歩いても霧がかかった山はピークをなかなか見せてくれない。いつになったら表示が出るのだ!とストレスが溜ってくる。


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こんなピークを6つ程、越えてゆく

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霧がかかった森は山水を思わせる幽玄の世界


見上げた先にうっすら空が見え、やがて分岐の表示が出た。ここから30分で山頂とある。遂にここまで来た。6時間。よく歩き通した。
Sさんもかなりバテている。帰りは大丈夫だろうか?

山頂を極める前から、二人、帰りの心配をする。また同じ道を下りてゆくのか・・・山頂は、霧の中。樹々に囲まれ眺望もなし。何年もかけた恵那山、こんな感じなの?
しかし、これだけ歩けたことに満足感はあった。Sさんも「自信が持てました」と至極満足げだ。

三時過ぎから雨予報になっている。昼食をササッと済ませ、下山を開始する。もう何も考えない。足元に神経を集中し、無事に二人で下りる。Sさんに声をかけて、気持ちを切らせない。ピークを2つ残したところで雷が鳴り出した。ゆっくりと鈍い音が近づいてくる。


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遠くに中央アルプスから南アルプスまでの山々が見渡せる


突然、ポケットのスマホが鳴った。萬岳荘の管理人Hさんだ。「雷が鳴り出したのでロープウェイが止まりました」。えっ?下りれないじゃん!「車で峠まで迎えに行き、下の宿まで送りますから、用心して下りてきてください」。

なんと親切な〜。前日の夜、共通の山の友人がいることが分かり、多いに気持ちを通わせたからだろうか。ありがたい。ヘトヘト、ビショビショになりながら、彼の車に迎えられ、シートに沈んだ。
Hさん、ありがとうございました。この山で出会えて、本当に良かったです。

宿に着いて、風呂上がり、乾杯のビールの美味かったこと。ク〜と、しばし絶句・・・


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