尾張藩


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箱根山麓には我々のためにパネルが用意されていた


「吟行・四季の歌会」は35回を迎えた。今回は新宿区内にある戸山公園と箱根山。コロナ感染者が一気に増えたこともあって、キャンセルが参加者より多くなってしまったが、参加者はガイドさんの話に聴き入った。

戸山公園は江戸時代、尾張徳川家の下屋敷のあった地で、広さは東京ドームの約10倍。明治に入ってからは陸軍用地として戸山学校が置かれた後、戦後はGHQが支配し、返還後は公園と住宅用地となり、今は公園を囲むようにして区の高層住宅が並んでいる。

ガイドさんの説明によると、当時屋敷内には御町屋(おんまちや)という小田原宿を模した通りがあって、鍛冶屋、米屋など37軒の店が並んでいたという。営業は、お偉い方が来た時のみで、尾張藩の侍が町人に扮してお相手をした。小田原まで行けない将軍家のためにそんな町屋まで尾張藩は造ったのだ。それだけではなく大きな池や滝、そして橋、馬場、茶屋、さらに富士山を遠望するための小高い山(いまは箱根山)まで造成した。

なんという尾張の財力と贅沢。もしかしたらこの下屋敷は、徳川家への忠誠を伝えるためのテーマパークだったのではないかと思った。


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歩いたのは広い公園の一部


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