生き物の死にざま


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「生き物の死にざま」。このタイトルに惹かれた。ここには29種類の生き物の一生が紹介されている。著者は生物学者なのだが、科学的な解説だけにとどまらず、子孫を残すために懸命に生きる全ての親たちに、哀切の筆運びでその一生を讃えている。

たとえばカゲロウ。成虫になったらわずか数時間のうちに死んでしまう。この間に子孫を残さなければならない。ところが空に水の中に捕食者たちがいる。次の命のバトンのために考えた策は、途方もない数で一斉に孵化し、数時間で子孫を残すという方法だった。

その他にも生まれた幼虫たちに我が身を捧げるハサミムシ、不老不死のベニクラゲ、老化しない奇妙な生き物ハダカデバネズミなど、不思議な生き物たちを紹介している。

死にざまとは、まさに生きざまの裏返し。読み終えて感じたのは、人間もまた命という普遍のプログラムの中を生きているということ。死すべきは死に、生きるべきものは生ききる。私たちはその繰り返しをしていくだけなのだ。


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カナブン
カミキリ
カブトムシ
いくつになっても
甲虫が好き

コメント

 
大變面白さふな一冊です。本當に命とは何なのか。死ぬと決まって居るのに、どふして生まれて來るのか?生まれて來たら生き抜く爲に何故努力するのか?
 考へれば考へる程、解らなく成ります。人間は知惠を授かった、と言ふか細胞が進化したからなのか、生きる事、死ぬ事に就いて色々考へ、多勢の哲學者や宗教家等、人生の先達が論じて居ますが、そこ迄腦力の發達して居ない命達がそれなりの身に應じた範圍の中で精一杯生きる姿には感銘を受けます。

 鳥類は兩親が交替で餌を運んだりして、外敵には命懸けで子を守り、時期が來れば巣立ちで親子は別れ獨立。もう少し知惠のついた哺乳類では、群れの中に新しい牡が來ると、自分と違ふ血の匂ひのする子を殺す事があります。更に理性と言ふ知惠のついた人間は複雜怪奇になり、親子でさへも憎み合って殺し合ひをします。生と死、命の姿は自然に還るのがいいんでせうね。

A)
面白い一冊でした。
いつお迎えがきたって驚きやしない、と啖呵をきっていた
お婆さんが、地震がきたら机の下で震えていた、という話を聞いたことがありますが
命を生ききるためのプログラムが入っているので、
これだけは変えようがないのかもしれません。
もしかしたら寂聴さんだったか!?

命のためのプログラムは、大脳だけでなく、大腸や脹脛にも第二、第三の脳が
あると云われ、ますます私たちのカラダの不思議を感じます。

ところで感染者が増えていますが、
ワクチンが出来るまでに、全員が感染してしまえば
コロナは風邪だ、が、まさにその通りになるのかもしれませんね。

収束(終息)しない
抗体ができない
ワクチンができない

ない3(みつ)です。

2020年7月17日 13:53 | 雅蘭洞英齋居士

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