甘い香り


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この時期、カツラの木の前を通ると甘い香りが鼻腔を抜けていく。醤油煎餅、綿菓子の甘く芳しい匂いに近い。これはマルトールという成分のはたらきで、葉の細胞が弱り壊れていく秋、黄葉の頃により生成されるとある。

より茶褐色の葉が香るのは、そういうことなのか。金木犀がそうであるように、この香りに気がつくと、キョロキョロしてその存在を確かめる。色づいた葉からも香りが降りてくるようで、心が開放される。
葉がハートのカタチをしているのも心を和ませてくれて、いい感じ。


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コメント

 僕は落ち葉を見る度に、人間の木と言ふ考へ方をするのです。勿論人間以外にも言へる事ですが、個人個人は人類と言ふ一つの大きな木の一枚の葉っぱなんだ。と言ふ思ひです。一つの木で根っこは一つでも一枚一枚の葉っぱは別々の意識を持って居るんじゃないか、と。他の生物にも言へる事です。
 最近、澁谷の五行歌會のAさんが亡くなった事を聞き、同じ大學の後輩で物静かな紳士だった、僕より若い彼が亡くなるとは又一枚の葉っぱが散ったのか、と人の命の儚さを感じました。

A)
葉っぱのフレディという絵本では、人々に潤い、憩いを与えた葉っぱは
枯れてはいくけれど、再び土の栄養となって命を循環させてゆくと語っています。

夏に、黄色くなって早くに散る葉っぱは、残った瑞々しい葉っぱたちの犠牲と
なっているのではないかと、桜の葉などを眺めています。
残った葉もいずれは散ってゆきます。

Aさんは、心臓以外はとても健康でした。
心臓という鍛えることのできない装置は、運命のようなものですね。


2020年11月13日 06:38 | 雅蘭洞英齋居士

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