石川啄木


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石川啄木顕彰室の前にある石碑


啄木の歌一つをスラスラと言える。

しらしらと氷かがやき千鳥なく釧路の海の冬の月かな

この一首を覚えたのは、若い頃だった。壁にかけられていた短冊を見て、鳥好きの私は「えっ?」となった。冬の釧路にチドリはいるんかい?。チドリは夏だろう。そう思って何度か読んでうちに覚えてしまった。

情景は美しいが、鳥を間違えているのではないか。冬に千鳥は鳴かないだろう。などと今でもこの歌を口ずさむたびに、そう思う。

26歳という若さで亡くなった啄木。歌の多くに哀切の情が込められている。
しかし、その放埒な人生はあまり褒められていない。小説が認められず、浅草で遊びまくって現実逃避を繰り返した。借金を踏み倒し、売春宿に通いまくったと記されている。

それでも、啄木の歌は人気だ。太宰もそうであるように破滅型の天才は、人の心を今も動かし続ける。

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