薪ストーブ


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子供の頃、家の暖房は薪ストーブ一つだった。薪を割るのは子どもの仕事で、火が熾きるまでの手間や時間、いい想い出はなかった。なのに、冬の山小屋で薪ストーブに温められていたら、無性に欲しくなった。

爆ぜる音、マキの匂い、ストーブの上の薬缶の湯気、そして柔らかな暖かさ。煙突から上る煙、積まれた薪・・・そんな光景を眺めると、薪ストーブ愛に火が点る。

炎を見ていると、時間の過ぎてゆくのを忘れる。男は火から離れられないのかもしれない。


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