登山家がいた時代
氷雨と雪で、開花はしばしお預け
昨日、山岳会の知人で「山と渓谷」の元編集長Kさんの講演会を聴いた。タイトルが「登山家がいた時代」。1964年、東京オリンピックが開催され、日本は経済大国への道をひた走った。あらゆる分野で国際化が進み、登山界もおおいに影響を受け、若きクライマーが世界の山へ挑戦していった。
植村直己、加藤保夫、山田昇、長谷川恒男、小西政継といった伝説の登山家らがそうだ。彼らは、日本人初、世界初を目指し、冬季、単独、無酸素といったより困難な状況のなかで、険しいルートから山の頂を目指した。
個性ある人たちばかりだが、多くが四十才前後で山で亡くなっている。
山への真摯な姿勢、情熱、そして天性の素質があって、達成のための努力を惜しまない。そんなスペシャリストたちが山で命を落とす。
山には魔力のような魅力がある。山との向き合い方を高めようとすれば、当然リスクも高くなる。いくら経験を重ねても、年齢から来る体力は確実に落ちていく。Kさんは、それも落とし穴だったのではないかと推察していた。
多くの山は登り尽され、エベレストが大衆化してしまった今、登山家は、登山者、登山客と呼ばれるようになった。
Kさんは、約十年をかけて彼らの足跡を世界に辿って、一冊の本を上梓された。「未完の巡礼」。Kさんとお話をしてサインをいただき、会場を後にした。
いい話を沢山聞いて、心は熱くなった。この本で彼らを追いかけてみたい。
植村直己の北極点犬ぞり単独行に夢中になった
2022年3月22日 15:10 | カテゴリー: 歩キ眼デス3
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