カゲロウ
山に入ると、虫や花に気がつく。先日「ここにショウリョウバッタが」と云って葉を揺らすと、すぐにバッタは羽ばたいた。一緒に歩いていたTさんが、よく分かりますねと云った。
そう言われると、どこかに昆虫センサーが付いているのかもしれない。少年の頃から虫を追いかけていれば、知らない内に身に付いるのだろう。
我が家の天井の隅に、虫らしきものがいた。何かが動いているように見える。すぐには近寄らず、知っている虫を重ねてゆく。分からない。細くて長い虫。
椅子に乗り拡大鏡で確認したら、クサカゲロウの仲間だった。カゲロウは、ある日一斉に孵化して、交尾、産卵して一日の命を全うする。こいつは、どこかではぐれたのだろうか。
長い触覚を動かし続けている。短い命だから、殺さないようにと家人に言って、放置した。
今朝、国葬で名文を詠みあげた菅元首相の追悼の辞を読んだ。あまりにも美しすぎる。誰が書いたのか?電通のお抱えコピーライターか?と、読み進めているうちに、原田マハの作品「本日はお日柄もよく」を思い出した。
これ、そっくりやん。最後に読みかけの一冊「山県有朋」の一首が出てきて、ひっくり返ったというか、驚いた。まあ、よくも図々しく、歴史の人物(山県有朋と伊藤博文)二人に自分らを重ねられるものだと。ライターから出されて、どんなやりとりがあって、読み上げたのか。
じつは、国葬を使って「あなたの意志を受け継いで、私も二度目の首相を目指します」と宣言したのだろう。
きみを想う気持ちはカゲロウ〜♬。そんな歌があったことを思い出した。
2022年9月28日 15:07 | カテゴリー: 歩キ眼デス3
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