祈り・藤原新也


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なんとか間に合った。世田谷美術館「祈り・藤原新也」展。もう文明評論家といって良いのではないかと思いながら、彼の半世紀にわたる表現活動の写真、書、絵画を眺め、見つめてきた時間と人への思いを追った。

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インドやチベットの生と死の匂いが濃厚に立ちこめる風景、東北の被災地、コロナ禍の街など混迷を極める今の時代を映しだす数々、もう祈りしか残されていないというメッセージなのだろうか。

ー祈りからー

人の世は変わっても自然は泰然自若として変わらないというのは嘘である。
人間の所業は自らの生活ばかりか自然にまで及んでいる。
頭上の月を眺めながら変わらぬものは地球外の天体かと一息つくも、
頭上の月でさえ着々と人類の足跡が刻まれようとしている。
この自己拡張と欲望の果てに何が待っているのか、
その解答用紙に既に答えが書かれている今、
いま一度沖ノ島の禁足の森の想念を心に刻みたい。


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15の壮大なストーリーから浮かび上がってくるのは、藤原新也というとてつもない人間力だ。感性を極める、実態から目を背けない、とことん表現を探す、絞り出すエネルギー。半世紀変わらずに走り続けている藤原新也にふたたび惹かれた。

写真集を買って出ようとした時、彼が出口にいた。思わず話しかけて、サインをもらった。


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四半世紀前の絵ハガキが引き出しから出てきた

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