冬の動物園
「冬の動物園と武蔵野散策」。なんか、文芸作品のタイトルみたいで、名付け親はちょっと悦に入っていた。先週末の吟行歌会のテーマをこれに決め、井の頭公園内にある自然文化園に七名で訪れた。
おあつらえ向きの曇天で雲は低く、開園から直ぐに入ったこともあって人が少なく、まさに冬の動物園の雰囲気がたっぷり。檻のむこうとこちらで見つめ合い、湧き出る言葉を待って、それぞれが二首を詠んだ。
上席の歌を紹介する
遠い砂漠に いわさきくらげ
住んでいた
フェネックが聞く
ガムの包みを
開ける音
群れの中 渡辺加代子
試しても試しても
お尻の沈まぬ
鴨一羽
見つめる
いつ出てくるんだ 山碧木星
待ちくたびれたよ
ハナコ
象舎を見つめる
錆びた無人カメラ
2023年1月16日 17:13 | カテゴリー: 歩キ眼デス4
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