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花が終わった後も、まるで咲いているかのように、萼が冷たい風を受けていた。散っていった花びらはどんなだったのだろう。

日高の叔母を訪ねると、いつも大きな帽子と軍手姿で庭から出迎えてくれた。ベランダでお茶を飲みながら花談義をするのが楽しく、時間を忘れるのが常だった。

「あなたはなんでそんなに花に詳しいの」と必ず言われた。「花に詳しいとモテるからですよ」と返せば、愉快に笑った。

「あれはヤマブキですよね」と聞くと、「ヤマブキは散っても、萼が可愛いでしょ、だからしばらくはそのままにしているの」とヤマブキを見つめていた。

咲き終わった花の萼を見ると、美しい笑顔の叔母を思い出す。

コメント

素敵なコミュニケーションでしたのですね。
その時の雰囲気を想像します。
きっと心の中でずーっと続くのですね。

A)
叔母は母より随分歳が離れていたの、年長の姉のような存在でした。
話好きで明るい人です。
連れ合いを亡くして、いまは可愛い秋田犬を子どもたちから送られて
悲しんでいる余裕がないそうです。

2023年2月16日 17:15 | ゆみゆみ

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