中野サンプラザ


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中野サンプラザが昨日、閉館した。思い出の多い建物が、また一つ消えていく。社会人一年目のときに住んだ街が、中野だった。喰えないカメラマンとアパートの一室(二間)を借りて、暮らし始めた。毎日のように遅くまでの仕事が続き、銭湯に行くといつも掃除が始まっていた。

その落ち着かない銭湯で、何度も顔を合わせる男がいた。生涯の友になるとは、そのとき想像すらできなかった。田舎から出た者同士、銭湯で夢を語り合っては、友情を育んだ(この男とのそれからはいつか)。

それから中野を出て、中央線の街を点々とする。通勤途中の車窓からは、いつもサンプラザが見えた。ただボーッと見つめているうちに時間が流れていった。

中野サンプラザといえば、加山雄三ショー、娘を連れてのボーリング、上層階でのテニス教室、たまに待ち合わせ。無くなると分かって、記憶はポツンポツンと繋がっていく。


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