秋日


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やや二日酔いながら、スッキリ目が覚めた。ヨシッと飛び起き、いつものアササンコースを歩いていると、ほのかな甘い匂いがした。なんかこの匂い、嗅いだことがあるなと思っていたら、足が止まった。

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目を上げると、キンモクセイの小さな蕾。まだ開花していないのに香りを発している。涼風、鱗雲、そして金木犀。秋は順番にやってくるんだ。嬉しいプレゼントをもらったようで、目が一気に覚めた。


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では以上ですと、二人の若い女性行員がニーサの話を終えようとした。
「ではこちらから」とおもむろにバッグから『海、はじまる』を出し、「詩歌には興味をお持ちでしょうか」と云いながら手渡した。

「きれいな表紙ですね」と見つめ、二人は顔を合わせるようにしてページを括りはじめた。「それ、僕が装丁したんです」「数字ばかり見つめていると疲れます。お茶の時間にこんな五行の詩を読んで、リラックスしてはいかがでしょう」
「アマゾンからも買えますよ・・・」

おじさんは、こんなセールスができるようになったんだ、と意気揚々と銀行を後にした。

コメント

木の影も、このように素敵な表現になるのですね。

キンモクセイ…何日か香りを楽しみます。

A)
朝日のモーニングサービス、というところでしょうか。
金木犀の甘い香りも、ススキが揺れるのも
秋は、なぜか切なさで誘いますね。

2023年10月14日 17:22 | ゆみゆみ

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