無言館


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ここにはずっと行きたいと思っていた。広島原爆記念館、知覧特攻平和記念館を訪れ、いつか「無言館」にも行こうと決めていた。しかしそれから15年以上経っていた。

ならばと、友人のSが車を用意してくれた。「無言館」は入場料は後払いという不思議なシステム。樹々の間を抜け、重いドアを開けて入ると不思議な区画。俯瞰すると十字のカタチか。壁面全てに絵が飾られ、通路には作者の使用した絵の具やパレット、戦地からの手紙などの遺品が展示されている。

照明を落とした館内、誰もが静かに鑑賞している。何点か妻の裸婦像があった。どんな会話がなされ、筆を動かしていたのだろう、身につまされた。

胸を痛めた絵と展示物の一つ。
妻からの手紙を野戦病院で読み、そのひとつ一つに書いた返事は送られることがなかった。彼の死後、手紙とそれぞれへの返事は、病床の妻に届けられた。
彼女は号泣し、やがて追いかけるように亡くなった。

戦争による悲劇は、いくつもの物語をつくっていた。
こうしている今も前線の塹壕の中で震えている兵士がいる。いま平和に暮らせることは、奇跡かもしれない。

コメント

何度も読ませていただいて、
『こんなこと、あってはならないのに、、、』
と、ずっと思っております。
悲しいですね。

A)
好きな絵を描きたい、描かせてあげたい。
本人とご家族の手記が痛々しいのです。
誰のために、何のために戦わなければならなかったのか。
私たちのためにと思うと、胸がつまります。

2024年12月 2日 22:36 | ゆみゆみ

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