甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)



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捜索を受ける二時間前には、呑気にこんな写真を撮っていた。
百名山の一つ甲武信ヶ岳は、名前の通り甲州・武州・信州の境に聳える2470メートルの名山だ。いつかここを登ろうと、ずいぶん前からこの周辺の地図を眺めていた。この山の稜線上にある雲取山、国師ヶ岳、朝日岳、金峰山など、すでに何度も登っていたので、地図はほぼ頭に入っていた。しかしこれが落とし穴になった。山小屋の位置を間違えて覚えていたのだ。山頂に着いたのが4時半。小屋に向かって下山を開始した。ここで最初のミス。20分後に道を間違えたことに気づき、すぐに山頂に向かってUターン。このときケータイのアンテナが立っていたので、山小屋に到着が遅れることを伝える。再び山頂で地図を見て、方向を確認して歩き始める。これが二度目のミス。(山頂から3本の道があった)
歩けど歩けど稜線上に小屋が見つからない。時計は六時近くを差し、夕闇と寒さが下りてきていた。初めて間違いを犯していることに気がついた。
これはマズい。しかし何故だ。もう一度地図を確認した。絶句!なんと記憶していた場所に小屋などはなく、未だ歩いていたことのない稜線上にあったのだ。
分かった瞬間に、つっていた足の痛みがさらに強くなり、数カ所に広がった。つったまま歩いていた。ヘッドランプ、携帯食、ダウン、アイゼン、すべてあるので最悪のケースを想定しても下りる自信はあったが、すでに小屋に連絡を入れていたので、それが気がかりだった。気力を絞って、戻り返す。すでに7時間以上歩き通していた。バテ、そして足のツリが全身を締めつけている。甲武信ヶ岳の直下に差しかかったときに、上から声がした。数人の声だ。名前を呼ばれている。人生でこれ以上、大きな声を出したことがない返事で答えた。安堵感が広がり、疲れが広がった。

・反省点
早くから登る。地図を良く見る。体力の低下を自覚する。
反省の多い今回の山行でした。

甲武信小屋の徳さん、今回は大変ご迷惑をおかけしました。

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下山すれば雪はなく、新緑の美しい西沢渓谷が迎えてくれた


コメント

どうなる事かと 心配しながら・・・
あぁ~良かった!
登山は 常に危険と隣り合わせなのですね。
一人登山でしたか?

何より 無事でのご帰還 おめでとう。

A)
ご心配をおかけしました (^^;)
いろんなことが重なって、初めての危ない体験でした。
肝に銘じます。
7時間歩けたことも自慢しません。

高山は、ほとんど単独行なんです。

2012年5月23日 15:23 | おかいこさん

ご無事で何よりでした。。。

疲れていると判断も鈍るといいますが
思わぬ所でそういうこともあるんですね。。。

今だ山小屋には泊まったことありませんが
山小屋の方は、登られてくる人々を気遣いながら過ごしていらっしゃり
とても頼りになる存在なんだということが伝わってきました

それに、間違いに気付いたらそのまま下らずに登り返す・・・
体力的にはかなり厳しいですが
この判断がよかったんですね

私はまだまだレベルも低いですが、こういった話を直に聞くと
より一層、慎重に行動しなければ・・・と、勉強になります

A)
ありがとうございます。反省です。
道標をもっと注意深く見るべきでした。

山小屋のご主人、テントの若者らが、到着が遅いと判断して
駆けつけてくれました。
滑落でもしてケガをしているのではないかと、心配したようです。

山小屋に入ると、恥ずかしいのと申し訳ないのと
いやはや・・・でしたが、
笑って爽やかに「ご心配をおかけしました」と挨拶をしました。

決して無理な計画を立てては行けませんね。

次は、大台ケ原を予定していま〜す(^^ゞ

2012年5月23日 15:28 | blueberry

山道に迷われた人のお話聞いた事がありますが、体がぞくっとします。
まして夕暮れ時となると気も焦られたでしょうし大変だったのですね。
無事に帰って頂けて何よりです。
思い違いは誰にでも有る事です。今回の経験無駄にならない様に
体力付けてまた楽しんで下さいネ^^;。

A)
はい。今回のことは、一生記憶に残ると思います。
「一日に三回も山頂に登ったのは、あんたが初めてだろう〜」
と、小屋の主人に笑われました。

そうか、三回も!?後で納得でした。

体力アップ、頭もアップ、スタートもアップです(^^;

2012年5月23日 16:16 | tama

今回の現場でしたら、我が家から1時間半ほどで御○体の引き取りに行けますが、まあそんな事にならぬようにネ!
すべては老化にあると・・・言う事で・・・次の大台ヶ原って熊野かね?
ちょっと行けないなぁ・・・・・引き取りに・・・!

A)
身長177センチ、入る車用意してね(^_-) 
老化ですと、アチコチの外科で言われていたけど
今回自覚した。
それを受け入れていく工夫も楽しいだろうけど・・・なんて負け惜しみ (^^;)

大台ケ原は、そんなに厳しくないはず。

2012年5月23日 19:20 | 権之助

イヤだ〜〜〜!ご無事でよかったです!
ぞくぞくしてます!!!
一人登山は止めた方がいいかもしれませんね。
二度とないようにお願いします(`・ω・´)b

A)
文体、ちょっと迫力を出しました (^^;)
良い経験にしてこれからの山人生にいかします、ハイ!

キツい山は、パーティを組むように考えなければ・・・(^^ゞ

2012年5月23日 21:00 | 撫子

こんにちは、
道迷い、お疲れ様でした!ご無事で何よりでした。

ほんと、思い込みってあとで気付いたときのショックの大きさといったら…ガックリでしたね。
わかります~、経験してますから(笑)
これがまた次からの山行に絶対活かされますから、無駄ではなかったですよ、きっと!(^^)!

A)
こんにちは。
お久しぶりです(^_^)/~

その通りです。悔しいというか、情けないというか・・・
みんなに何を言われても、返す言葉がありません。

今後に活かし、良い山登りを続けていきます(^^♪

2012年5月26日 19:27 | minkist

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