リンゴ風呂


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そう。ここへ来たらまずは、このリンゴ風呂。なぜかいつも一番乗りで、どういうわけか最後まで一人。食事までの30分、ゆったり、のんびりと浸かった。こんなことをいうと義母には悪いが、中棚荘で食事と聞くと「おっ、リンゴ風呂に入れるぞ」と、まずはこの湯船を思う。
風呂場の造りが面白い。まず脱衣所と風呂の間に境がない。畳の上で服を脱ぎ、篭の中にポンと入れて、そのまま風呂場へと向かう。湯船は二つあって、一つがリンゴ風呂だ。30個ほどのリンゴが湯から顔を出し、こちらを見上げている。湯につかると、爽やかな香りがフワッと迎えてくれる。贅沢な一瞬だ。リンゴをかき集めたり、匂いを嗅いだり、しばらくリンゴと遊ぶ。一個にかぶりついて、歯形を残してやろうかしらとイタズラを思いつくが、そのまま食べてしまいそうなので、止めることにする。

外に出ると緑に囲まれた湯船があって、竹筒から湯がトボトボと注がれている。冬場であれば、周辺の山々がくっきりと見えるはずだ。湯の温度は、熱くなく温くもない。すっかり丸みを帯びてしまった石造りの湯船に体を伸ばすと、いよいよ緊張のヒモがぷつんと切れる。


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ここを通って


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ここを上がって


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こんな内風呂があって


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露天風呂がある


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おまけに自然にも優しい〜♬


コメント

リンゴ風呂は嘸かし良い香りが立ち上って居る事でせう。
僕達戰前戰中派にはリンゴと聞くと、並木路子さんの「リンゴの唄」が直ぐ頭に浮かびます。戰が終って、何となく虚無感が漂って居た時に、「リンゴの唄」と言ふ明るい歌が街に流れて、新しい世の中に成ったんだ、と言ふ意識を皆が改めて再確認したのでした。

A)
戦中派だって、リンゴを風呂に浮かべるなんて勿体ないことだと思います・・・
でも贅沢というものは、こんな時間なのかもしれない
と、五感を緩めて、幸せを満喫しました。

母が機嫌のいい時だったのか、台所からリンゴの歌が聞こえることがありました。
幸せの喜びを伝える良い歌だと思っています。

2013年5月16日 08:15 | 雅蘭洞英齋居士

柚子でなくてリンゴですか。
信州へは行ったことが有りますがリンゴ湯には出会えませんでした。
一度入って見たいですね。収穫時だけでなくて年中あるのですか。

A)
通年、ここで入れますよ。
きっと、出荷できないリンゴを使っているのだと思います。

入っていつも感じるのは、
贅沢とは、五感全てが喜ぶ瞬間なのだと。
良いお料理もきっとそうでしょうね。

2013年5月16日 20:58 | tama

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