夏草


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桜で賑わっていた四谷の土手に、夏草たちの手が伸びる



先日の歌会で、夏草の伸びる様子を「わっしょい わっしょい」というオノマトペを使って表現された方がいた。夏草ばかりでなく、梅雨の間にどの植物もグイグイと成長する。畑をやっている友人が、雑草は抜いても抜いても切りがないと嘆く。

夏草といえば、幼い頃、背丈もある草むらを友達らと駆け回っていた。青草の匂いを嗅ぐと思わずあの頃にワープする。草の束二つを結んで転ぶように仕掛けたり、落とし穴をつくったり、なにか悪さをしていた。転ぶと、服に夏草の緑色が残って、母親に何か言われたような記憶がある。
「夏草や〜」で始まる句はきっと、多いに違いない・・・。


コメント

 夏草と言ふと、遥か昔の子供の頃、鵠沼海岸の家に夏だけ避暑に行って居た頃の事をいつも思ひ出す。今は鵠沼海岸も東京への通勤圏内の住宅地に成り下がってしまったが、其の頃は避暑地の風格を残して居て、夏草ぼうぼうの廣い原っぱが澤山あり、殿様バッタやショウリョウバッタを取りに、父と弟と、父が來る日曜日に出掛けた。
 疲れて寝轉がると、あのムンムンとする夏草の草いきれが、何か親指姫の童話の世界に連れて行かれる樣な氣持ちがして、樂しかった。

 大きく成ってから、何處かで夏の草いきれを嗅ぐと、匂ひと言ふのは生物が最初に獲得したのが嗅覺である所爲かどふかは知らないが、山碧木さんや芭蕉も感じた樣に時間をワープして、昔の子供時代の叢が思ひ出されて來る。

A)
匂いというのも記憶されているんですね。
とくに幼い頃の五感は、しっかりと残っています。
生きていくために、もしくは宝として、玉手箱に入れられるのでしょう。

草いきれは、嗅ぐとキューンとします。
青春真っただ中のころ、日光の霧降高原でキャンプしていたときにも
草いきれが、その時みんなで歌った歌に重なって、好い時間だったことを覚えています。

子供の頃を思うと、ちょっと幸せになれますね(^^♪

2014年7月17日 19:28 | 雅蘭洞英齋居士

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