2015年1月

雪の日に・・・


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四谷駅の交差点


未明から雪になった。この冬初めてのまとまった雪で、みんなおっかなびっくり。それでも信号待ちでは、下りてくる雪を見つめる人たちがいた。ちょっと嬉しいのだろう。
いま外の雪景色を見つめながら、昨日の朝日新聞に掲載されていたコラムの切り抜きを手にしている。日課のように目を通すコラム「ひととき」には、五行歌の先輩である吉川さんの心温まるエピソードが書かれていた。


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ここに書かれている親しい友とは、Mさんだ。新年歌会でMさんを見つけ、お身体のことや兼ねてからお誘いしている吟行歌会の話をした。「傷口には〜」の歌は、選んだ歌の一つだったが、作者がまさかMさんで、ご友人が吉川さんだとは思わなかった。
コラムを読み返した。五行歌は自分を支えているだけではなく、友や家族、仲間を支えることもする。ジンワリと心が温かくなった。言葉の力は大きい。


料亭花月


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ここらは花街だったのだろうと丸山界隈を歩く。交番もちょっとレトロで「丸山町交番」とある。この奥に料亭「花月」があった。芸妓がお座敷にいるのだろうか。三味線と太鼓の艶っぽいリズムが聴こえてくる。玄関からそっと中を覗けば、なんとも敷居が高い。

花月は、創業寛永十九(1642)年に遊廓「引田屋」として創業。その後、料亭となった。調べると「丸山」は、江戸の吉原、京都の島原とともに天下の三大遊郭とうたわれ、常連客には坂本龍馬・高杉晋作・岩崎弥太郎らがいた。
もう一度人生をやり直さなければ、ここでの豪遊は無理だろう。


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花街へ行くか、行くまいかの思案橋を越えて浜町へはいると、茶碗蒸しで有名な「吉宗」がある。ここなら安心。茶碗むしと蒸寿しのセットで、1,350円。ここの店にも風格がある。創業は慶応二年というから、こちらも老舗。大変な繁盛ぶりで、下足番のお兄さんの忙しさは、気の毒になるくらい。
次々にやってくる団体の履物の出し入れを素早い動きで対応していた。


光と闇


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グラーバー邸は、約150年前に建設された超モダンな建物だ。ここで福山雅治が歌ったんだな・・・カップルばかり・・・なんだかか、つまらない。太陽がサンサンと当たる家々を見ていても、心が響かない。はて、なぜだろう、なんて。じつは分かっている。けど言わない。写真を撮っていても、気持ちが入らないから、さっと見て、浦上天主堂に下りていく。


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ここは日本最古のキリスト教建築物で国宝に指定されている。中は撮影禁止なので、礼拝の椅子に座って、じっくりと歴史の空気を吸う。建立されて間もない1865年、隠れキリシタンらが神父を訪ねて、長く迫害に堪えながらカトリックの信仰を代々守り続けて来たことを伝えた。それは大きなニュースとなり、当時のローマ司祭に伝えられ「東洋の奇蹟」と呼ばれたそうだ。
「持続こそ、力なり」。頭が下がる・・・


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神戸のようなレトロ風土産店は、女性やカップルらを惹きつける


眼鏡橋


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眼鏡橋は日本初の石造りのアーチ橋で、完成したのが1634年というから、今から400年近く前に造られている。たいしたもんだ・・・と、くぐり抜けると次々に石橋が現れる。この中島川に架けられた石橋の多くが、商人らの財力で賄われたという。鎖国時代の貿易でド〜ンと儲けたのだろう。諏訪神社まで続く川沿いの道は、好い散歩コースだった。長崎の道は石畳が多いせいか、長く歩いていると足が疲れる。ヨーロッパの人たちは平気らしい。


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ツアーの一団が来て、石組みのどこかに♡の形した石があるという


長崎


この風景、横尾忠則の作品「y字路」に出てきそうだ


長崎は坂の町。ここに住めば、わざわざ山歩きなんかしなくてもいい・・・そんなことを思いながらこのキツい急坂を下りた。週末は、歌会とある処を訪ねるために長崎にいた。町の中をのんびりと市電が走り、時おり聞こえてくる長崎弁のイントネーションは温かく、なんとも心地が好い。海が見え、教会や歴史のある建造物が多い町の雰囲気は、なんだか函館に似ている。往事の活気や文化の香りが町のあちこちに残っていた。


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グラバー園から見る長崎の町。大浦天主堂はすぐ下にある


熱燗


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一人でゆっくり呑める店が少なくなった


今日のように寒い日は、冷やよりも熱燗が好いと、師匠として勝手に崇めている太田和彦氏が言っていた。この「燗」の文字、じつは長く間違えて覚えていた字のひとつだった。まさに「燗」違いというやつで、門構えの中は、ずっと「日」だと思っていた。感ではなく「間」だから当然だと・・・
それがある日、新聞で「月」だと知り、おおいに驚いた。えっ、なぜだ!?

長く気がつかなかった理由として考えられるのは、その1/パソコンの文字変換に頼っていた。その2/小さな文字の認識ができない。

熱燗は、じんわりと胃に沁みる。その胃のカタチこそが「月」なのだから、「燗」であるのは、当然至極だ。そうと分かってから、カウンターの親爺に向ける表情が、少し変わったのは言うまでもない。


冬のつく言葉


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朝方、チラチラと雪が降っていた。これから冷たい雨になるらしい。雪になってくれると、歌の一つでも生まれるのではと、内心楽しみにしているのだが、さて・・・。昨日、暦では大寒。寒いはずだ。

冬のつく言葉が浮かんだ。冬日、冬日和、冬空、冬囲い、冬苺、冬菜、冬椿、冬着・・・。頭に冬がつくだけで、なにか慈しむような温かさを感じる。冬を楽しもうとする日本人の心があるのだと思う。


干し柿


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信州の親戚からいただいた個性派干し柿。もう7個に・・・


人であれば、干されてしまうと気落ちしてシュンとなるものだが、大根や唐辛子、鱈や鮭など秋の幸は違う。冬の陽射しと冷たい風を受けると、ジワッと旨味が出てくるのだ。この干し柿だって、干されていくうちに甘みを増したに違いない。

じつは干し柿がことのほか好きで、一口目の味わいがたまらない。干し柿にも個性があって、カチカチの実直タイプや舌にとろけるように迫る柔らかタイプなど、一期一会の楽しみがある。
嬉しいのはトロッとした果肉をまとった種を持つ干し柿だ。その果肉と種を舌だけを使って、ツルっと脱がせる。種を出して見つめ、果肉の甘みを味わう・・・なんとも至福の瞬間だ。


宿り木(ヤドリギ)


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葉がすっかり落ちるとヤドリギが現れる。昔は鳥の巣だと思っていたが、半寄生植物のヤドリギだ。ヤドリギの実が鳥に食われ、やがて粘液質のある種子が、フンとともに樹上に落ちる。種子は枝に張りつき、発芽して樹皮に根を下ろして、寄生がはじまる。

宿主となる木は、桜、ブナ、ケヤキ、ミズナラ、コナラなど。繁茂が激しくなると、宿主を枯らしてしまうことがある。

ロウバイ(蝋梅)


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たしかこの辺にある。そう思って、小高い坂を上っていくと、ロウバイは好い香りをさせて待っていた。すでに開花して黄金色の輝きだ。つい甘い砂糖菓子をイメージする。この花が咲き終わる頃、黄色の花が続く。
駅伝でいえば、花の一区がこのロウバイ。そして、次にたすきを受けとるのが、福寿草だろうか。そしてクロッカス、菜の花、キブシ、サンシュユと続きミモザ、レンギョウ、ヤマブキ・・・黄色い花が咲くいていく。


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生姜湯


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小石川植物園に来るとこの茶店に必ず立ち寄り飲み物を頼む。今回は張り紙にあった生姜湯をお願いした。珍しい。誰の発案だろうか。もしかしたら、店の前の薬用植物園で採れた生姜を使っているのだろうか。
なんせ寒かったので、出てくるまで待ち遠しかった。しばらくすると、話好きのオジさんが「熱いから気をつけて」と言いながら持ってきてくれた。

好い香りだ。スプーンでかき混ぜると、トロミがある。片栗粉が入っているのかもしれない。
一口飲んだ。ちょっと甘く、懐かしい味がした。もしかしたら小さな頃、風邪をひくと母が作ってくれたのは、この生姜湯だったのかもしれない。飲み終える頃から、体がポカポカしてきた。

冬木立


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今年も、素敵な年賀状が届いた。そのひとつ、Aさんからの年賀状には「2014年に出会った言葉」が紹介されていた。作家中島らもの言葉がいい。「教養とは学歴のことではなく、一人でも時間をつぶせる技術のことである」とあった。沁みる言葉だ。

なにか冬木の清々しさと重なるところがある。それは生き方であり、真理のような気がする。こんな歌があった。

天空に応え冬木となりにけり


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冬の植物園にも発見がある



梅一輪



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小石川植物園を歩いた。昨日はとくに風が強く、こんな日に植物園に来る輩はいないだろうと思っていたら、そんなことを思っている人が何人かいた。園内の一画に梅林があるので、梅一輪を探しにきたのかもしれない。ところが、蕾は膨らんではいるのだが、歩けど歩けど開花している木が見当たらない。辛抱強く探していたら、丸く刈られた大きなツツジに隠れて、その一本があった。日当りがよく風の当たらない、格好の場所だった。

風に揺れている姿を眺めていると「梅一輪一輪ほどの暖かさ」を実感。
まちがいなく春に向かっている・・・。

番付ーモンゴルー羊肉


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初場所の番付が届いた。いつも決まって場所前になると送られてくる。春日野部屋のタニマチで、村相撲の横綱だった方からだ。80歳を迎えようとしているが、いまだにその体型は力士そのもの。会うと相撲談義に花が咲き、酒を酌み交わしながら、延々と期待力士の話で盛り上がる。じつに楽しく幸せな時間だ。

さて、番付を見ると「モンゴル」の文字がいくつも飛び込んでくる。モンゴルの怪物、逸ノ城が話題を集めているが、なぜに彼らはこんなに強いのか!?諸説色々あるだろうが、もしかしたら羊肉が、彼らの体系とパワーをつくっっているのではないかと思っている。

巷では、羊肉ファンも増えているようで、「羊齧協会(ひつじかじりきょうかい)」の人たちが、美味しそうにさまざまな羊肉料理を食べていた(正月のテレビで)。メンバーの女性ひとりが「臭くて美味しい〜!」とカメラに向かってコメントしていたのには驚いた。
すごい・・・。気に入った、今年ここに入ろう。じつは羊肉、好きなのだ。北海道生まれの人に嫌いな人はいないのだが、何か面白そうだし・・・(^^)V

ということで、今年は山の帰りにでもジンギスカンをみんなと食べてみたい。

無くて七草


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寒さで雀もいくぶん脹らんで〜


昨日は七草。七草粥は、胃に優しく体が温まる。昨日食べなかったから、昼はお粥のようなものにしよう〜ということで、野菜が三十種類くらい入っている薬膳スープランチを食べた。事務所に戻ってもポカポカ〜。

最近はお正月だからといって、食べ過ぎるということもなくなったので、七草粥の新しい提案。題して『無くて七草』。
つまり他の葉っぱで代用する七草粥。パクチーやセロリ、茗荷、春菊、カイワレ、小松菜、ニラ、パセリ、ミズナ、レタス、キャベツなど、余っている葉野菜系から七種類を選び、細かく切って粥に入れる。入れ替えをしていけば、毎年新しいお粥が楽しめる。どうだろう!?


雪中花


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花が紙のように白いことからペーパーホワイト


室町時代の書物に、スイセンの別称として書かれていたらしい。作家開口健が、雪の中に万のスイセンが咲いていると聞き、越前岬を訪れ、その気高い美しさをエッセイにした。なぜこんな寒い時期を選んで咲くのだろうか。

雪中花・・・花言葉「自己愛」・・・ナルキッソスの化身・・・羽生結弦・・

冬芽


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どんな花を咲かせるのかな


プラタナスの葉が今日の強い風にあおられて散り落ち、音を立てて転がっていく。そうそう、いつまでもしがみついていないで、次の世代のために潔く散って、道を空けなさい・・・時期が来ればすべての葉は散っていく・・・分かっていても裸木の美しさを思うと、いつまでも枯れ葉を抱える木は気になってしようがない。

冬は植物の変化が少なくてつまらないが、春の開花まで準備をすすめている冬芽をじっくりと愛でれば、待つ喜びもいつしか芽生えてくる。

筑波山


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初登りは筑波山。ORMACに新メンバーが一人加わった。五年ぶりに再会したOさんだ。誰ともスッと仲良しになれる才能の持ち主で、良い人が入ったなあ〜と新年早々嬉しくなる。駄洒落合戦がすぐ始まり、初めて乗った筑波エクスプレスの車内に笑いが起きる。


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山頂では見えなくなると判断し、スタート地点で富士山を撮る


筑波山は、幼い娘を連れて登って以来だから、15年ぶりだ。針葉樹と照葉樹が多い山で、低山だが意外に斜度があり、とくに後半は急登の連続となる。運がよければ山頂から関東平野が見渡せ、富士山や男体山、日光連山、浅間山まで確認できる。ただこの日は、気温が上がって霞がかかり、眺望はいまひとつだった。

筑波山神社で、ORMACの一年の安全登山ほか、もろもろを祈願すれば、風邪気味の体も「風邪は山で治す」の我が格言通り、すっかり回復。
山の力、恐るべし〜!


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筑波山といえばガマ。これがアチコチに現れる


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ガマの口に石が入ると幸運が訪れるとか〜


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中腹の大杉から生気をいただく