笠ヶ岳(3)
荷揚げのヘリも映っているよ
登り始めてまもなく、Mちゃんが体調が良くないと言った。ピッチが上がらないようだ。リーダーのEさんが最後尾についてMちゃんをフォローしていくことになり、Aさん、Nさんの三人でゆっくり笠新道の高度を上げていく。登山口の標高が1370メートルだから、夕方までに約1500メートルの標高を上げる計算になる。未知の数字だ。
ジグザグの道がしばらく続くと、ブナの太い幹がいくつも現れた。去年の落ち葉が、重なるようにして残っている。タニウツギ、シャクナゲと、里ではもう終わっている花が咲いていた。高度が上がり針葉樹林帯に入ると、コメツガ、シラビソの甘い匂いに包まれた。山で最も好きな匂いだ。気持ちがシットリとしていく。そしてこの樹林帯が終わると、お待ちかねの大きなカール「杓子平」についた。
ハクサンイチゲと穂高連峰
ハクサンイチゲ
チングルマと笠ヶ岳
シナノキンバイ
キバナノコマノツメ
裾野が広い。この時期、嬉しいのは雪渓がいくつも見られることだ。雪渓があることで、山がその山容を誇っているようにも見えて、なんとも凛々しい。雪解けの箇所や尾根伝いには、チングルマ、シナノキンバイ、ハクサンイチゲといった花が群生している。忘れていた初夏の山の姿だ。
いよいよ尾根道。笠が近づいてきた
2015年7月15日 14:01 | カテゴリー: 歩キ眼デス2
コメント
花の色がひときわ美しいですね~
雪渓の美しさと空の青 魅了される気持ちが伺える景色です。
A)
そこまで歩いた道乗りを忘れてしまう〜
そんな景色が待っていました。
ピッケル、アイゼン、ストックまで用意していましたが
使ったのはストックだけ・・・
雪が連日の温かさで解けていました。
今週末の三連休は、山小屋は一杯だろうなあ〜
2015年7月15日 14:51 | おかいこさん
残雪とお花とすばらしい景色です。
登山者でなければ実感は味わい尽くすことは出来ませんが
写真を拝見させて頂くだけでも感動です。
下界の事はすっかり忘れる事の出来る神聖な場所
のように思えます。
A)
あまり笠ヶ岳の情報が入っていなかっただけに
その山容の広さと優美さに驚きました。
笠は、遠くから眺めると、槍ヶ岳と間違えられる山で
いつかは行きたいと、長い間思っていました。
こんなに突然チャンスが来るとは思いませんでした。
山に登っている間は、下のことは何も考えません (^_^;)
どれもこれも小さなことのように思えます・・・
2015年7月17日 11:29 | tama
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