熊谷守一


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以前から見たいと思っていた熊谷守一の作品を国立近代美術館で堪能した。タイトル名は「生きるよろこび」。97年という彼の人生の変遷と変わっていった作品群がそれを伝えていた。作品は三つの時代に分けられ、「闇の守一」「守一を探す守一」「守一になった守一」。三章の「守一になった守一」から別人のような絵になる。追い求め続けた闇と影の世界をスパッと捨てて、赤いくっきりした輪郭線で庭の花や虫、鳥など身近なものを明るく描くようになる。すでに70歳を超えてからだ。
猫や水滴などの輪郭線は、自由でどことなくユーモラス。畦地梅太郎の山男をモチーフにした版画を重ねた。


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ここ最近、音声ガイドを聞きながら作品と向き合っているので、見学時間が長くなっても苦にはならない。とくに今回のナビゲータは、映画「人生フルーツ」以来の樹木希林さん。彼女の朴訥とした声を薄暗い館内で聞いていると、守一の幽玄の世界に導かれるようだった。
なぜ希林さんかというと、来年後悔される熊谷守一の映画「モリのいる場所」で、主人公の妻として出演するから。守一は山崎努さんが演じる。


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