流木


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母の葬儀の翌日、勇払の浜辺を歩いた。風があって、潮の香りがして、遠くに苫小牧のパルプ工場の煙突が見えた。煙突からの煙は、ほぼ真横にたなびき海の方に流れていた。母を送った実感が、まだ湧かなかった。

流木を見つけたので、立ててみようと思った。湿った砂に深く埋めたら、すべすべの細い流木はスッと立った。「なんでそんなことをするの!?」。母なら、そんなふうに聞いてくれると思ったからか・・・
あの流木、まだ海を見つめているだろうか。


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