秋田美人
この女性と初めて会ったのは、いつだっただろう。ずいぶん前の古い写真集の中だったか。絣の着物にすげ笠、やや伏し目がちな眼差し・・・秋田美人って本当なんだと、しばらく見惚れた。
それからずいぶん経って、駅のポスターになって現れた。あっ、あの人だと思った。人混みの中で恋人にふたたび逢ったような錯覚。これは縁のなのかもしれないと思って調べてみた。この写真は1952年、写真界の巨匠木村伊兵衛が撮ったものだった。
あるコンテストの写真を見た木村は、秋田に行って彼女を口説いて撮影した。1952年といえば、私が生まれた年ではないか。これも縁だと思うとこころ穏やかではない。その後、非売品の写真集の表紙にもなっていた。最初に見たのはその表紙だったのかもしれない。
お名前は柴田洋子さん。72歳で亡くなられていた。
木村伊兵衛が見惚れたのがこの写真。柴田さんは高校生だった
2019年9月 4日 14:31 | カテゴリー: 歩キ眼デス3
コメントの投稿