テレ笑い狂歌会


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山でこんな蔓を見ると、思わず口ずさむ「つたのからまる」。
江戸時代、浮世絵を出版していた名プロデューサー蔦屋重三郎の狂歌名、蔦唐丸(つたのからまる)が頭に浮かぶ。
歌麿・写楽らの浮世絵を世に送りだし、広めた出版人なのだが、狂歌本も手がけ、ヒット作を次々に刊行した。

そして身近にも酒上綾街(さけのうえのあやまち)という粋な狂歌人がいて、「テレ笑い狂歌会」の宗匠を努めている。「テレ笑い狂歌会」とは狂歌のユーモアをネットで楽しもうというお遊びの会で、門下生には落語家、講談師のほか怪しげな人たちが名を連ね、定期的に捻りのある歌を詠んで投稿している。

前回は「前句付」というジャンルだった。
後の句:「行きたくもあり行きたくもなし」の前を詠んでみようというもの。
たとえば

マスクしてフェイスシールド美人ママ・・・
格安の世界一周クルーズは・・・
年老いた初恋に会う同窓会・・・・
あの世には樂しみもなく苦もないが・・・

閉鎖的になりそうなコロナ的状況をユーモアで乗り切ろうじゃないかという遊び。すっかりハマっている。


コメント

 狂歌は江戸時代末期に全盛時代があった、と思っていいでせう。特に天明狂歌と言ふ言葉もあるくらいですから。
 此の世が詰まらなく成ったら、開き直って狂歌や川柳で溜飲を下げて、元氣を出して生きて見ませうや。
 と、江戸時代の人達は考へたかどふかは解りませんが、今も昔も、庶民とお上(カミ)の考へ方には意思疎通を欠いて居た所があったやうで、お上の組織の中の人でさへ、不條理を感じて居た人が多く、狂歌人には幕府内部の役人も多く居ました。
 蜀山人や酒上不埒等も勘定方や松平家家臣ですから。勿論、風呂屋、女郎屋の主人や八つぁん熊さんも居ましたが、共通するのは皆さん讀書家で、或程度、古典や洒落本の知識があったらしいですね。世の中、斜めに見ると新しいものが見えて來ますね。興味の有る方はいらっしゃい、いらっしゃい。

A)
始めるとけっこう楽しいもんですね。
憂さは幾分晴れるし、知性と恥性がからみ合って、奥が深いと思います。

武士、商人と市井の人たちが身分に隔たり無く、一同に介して楽しんでいたとすれば、素晴らしい世界です。
山藤章二、やくみつる氏らの絵師もビジュアル狂歌ですね。

2020年9月29日 13:00 | 雅蘭洞英齋居士

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