ほっかぶり


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東北、日本海側の雪は半端ないようだ。秋田湯沢町の歌友からは「街が埋もれてしまって出歩けません、郵便局にもいけないので、発送が遅くなります。ずっと雪かきをしています」のメールがあった。

テレビには、降り積もった雪が、平屋建家屋の屋根近くまで達している様子が映しだされていた。ふと、ふるさと札幌の冬の日々を思いだした。

「おい兄貴、行くぞ!」と、父から声がかかる。受験勉強を途中で止め、アノラックと軍手、長靴を装着し、スコップを持って父を追いかけ、家の回りの雪かきを始める。夜に何度か済ませておかないと、朝、家から出られなくなることがあるからだ。30分くらい体を動かし続けると汗が噴き出てくる。「これくらいにするか」の声がかかってスコップを仕舞い、玄関に入ると、父は頬被りの手拭を外して、雪をはらう。「しかしよく降るな〜」と言いながらも気持ち良さそうだった。

雪かきといえば父の頬被り。それを「ほっかぶり」と言っていた。聞き続けた言葉は、深く記憶される。ほっかぶりは、父の造語だとずっと思っていた。あるとき調べると、仙台や鹿児島の方言とあった。北海道には、内地から連れてこられた言葉がいくつもある。ほっかぶりもその一つだったのだと知った。


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