感動


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ダイアモンドダスト/photo by Ranta


久しぶりに、テニスで興奮し、感動した。全豪オープンテニス・男子決勝、中年の星、ラファエル・ナダルが5時間15分の戦いを制して優勝した。

2セット続けてナダルが落とした時は、体力的にみても次のセットで終わりだろうと思った。ところが不屈の闘志で、若手のホープ、ロシアのメドベージェフを睨みつけ、200キロ超えのサーブを連発し、ストロークでは声を絞り出し、そしてポイントを奪っての雄叫びで、セットを続けざまに奪い返した。

ケガから回復したばかりのナダルは、戦前の予想では勝率が低かった。ゲームが始まる前から、スタジアムの声援は、ほぼナダルだけに向けられた。

可哀相なのはメドベージェフ。ローマ時代、ライオンのいるコロシアムに放り込まれたたった一人の若き奴隷のように見えた。

それでも彼はナダルの応援を自分のエネルギーに変えてしまう不屈の精神を宿していた。パワー、技術、戦略、スタミナ・・・時間の神様もただ見守ってしまうような緊張の戦いが続いた。

終わりがあるとすれば、どんな終わり方だろう。誰もが想像したはずだが、誰も予想できないほどの拮抗した試合。静寂と歓声が繰り返される・・・終わってほしくないと思った。

しかし、全てには終わりがあるのだとばかりに、ナダルのショットが相手コートに強烈に突き刺さった。瞬間、ナダルは両膝を着いた。観衆は立ち上がり、割れんばかりの拍手と称賛の声を送った。
戦いの時間は昇華し、美しく霧散した。

歴史に残る試合を観てしまった。ここから私は変わらなければいけない。そう思うほどの、ナダルの姿がそこにあった。


コメント

熱い、熱いレポートを読ませていただきました。
情景を思い浮かべ、想像し、はらはらどきどきです。
とっても新鮮な感動ですね。

A)
テニスを止めてもコート上の間隔は残っています。
あの広いコートの上を五時間以上も走り抜くおじさんの体力
そして知力、集中力、勝利への執念など、鬼気迫るものがありました。

もう真似は出来ないけれど、不屈の魂くらいは
持てるといいなと思いました。

2022年1月31日 23:35 | ゆみゆみ

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