北斎VS廣重(2) 


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北斎は、悪戯好きだたのかもしれない。富嶽三十六景の作品中に、ある人物が、たびたび登場していることに気づいた。


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まずは「相州仲原」の絵に、このおじさん


いくつかの作品に、この変な顔のおじさんが出てくる。誰なんだろう。親しい友人だろうか。この人物には名前があったりして。江戸っ子に人気の芸人だったとか。それとも絵を見る「あなた」を想定して描いたのか。北斎のユーモアと稚気に、親近感を覚えた。いずれにしても浮世絵は、誰もが楽しめる大衆的な楽しみ(情報)だったことがよくわかる。


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「東海道吉田」の片隅にも・・・

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「東海道品川」では踊っている

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「身延川裏不二」では職人に

一方、廣重はというと五十三次の絵の中に「広」をあしらった模様、柄をそっと入れたり、絵の販売所を店の看板などにさり気なく書いたりと、こちらもセンスと商売上手が光る。

そして到着地、京都の三條大橋から身を乗り出して川面を眺めている一人の旅人は、廣重自身ではないかともいわれている。


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二人のユーモアとセンスは、壮大なテーマを緩く支えながら、江戸っ子たちの暮らしぶりや当時の文化を多いに想像させてくれる。

ヨーロッパの印象派の画家たちに多大な影響を与えた浮世絵。マクロの眼で楽しめるこの企画展は、見どころがいくつもあって、飽きさせない。

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