2012年3月

黄色の花


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遠くからでも目立つサンシュユの花


ロウバイ、フクジュソウ、マンサク、菜の花・・・黄色い花が春に多いのはなぜでしよう。人を幸せにするため!?イイエ、答は、花自身のため。ハチやハエなど虫たちが黄色に反応することを知っていて、多くの花は黄色を選んだのでしょう。日本の花の約30%が黄色で、春に集中しています。このサンシュユが終わる頃、レンギョウ、ヤマブキが咲き始めて、周りを見渡すと緑も広がっている・・・・あ〜もう、4月!


カワガラス


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NHKの「仁淀川〜人と川の原風景〜」という番組を見て、感心した。日本でも最も美しいといわれる仁淀川の四季の映像記録で、水の神秘的な力と川で育まれる命の豊かさを実に丁寧に、時間をかけて撮影していた。さすがNHK。いまこんなに時間をかけて撮影できる局は多くないはずだ。さて番組の前半に、カワガラスを撮り続けている男性が紹介されていた。
この人もカワガキ(川の好きな少年)がそのまま大きくなったような人だった。それで思い出したのが、先日の日光沢で撮ったこのカワガラス。カイツブリのように水中を自由に泳ぎ回り、カワセミのように餌を取ると一気に水面へ飛び出す。そしてセキレイのように尾羽を上げ下げしながら、次を待つ。見ていて飽きることがない。
カワガラスや星空のような模様のあるホシガラスなど、山には個性的なカラスがいる。



クロカワゲラ


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雪の上を歩いていると、ときどき動いている虫を見かける。きっと温かくなったので、越冬した虫が起きだしたのだろうと思っていたら、違っていた。ネットで紹介されていたのは驚くべき事実。たとえばこのクロカワゲラは、冬に羽化し繁殖をするという特殊な生態をもっていた。天敵が少ないこの寒い時期を選んで産卵するのだ。雪のある頃、川から上がって羽化し、交尾後に再び水に戻って産卵。そして命を終わらせる。つまり春、卵から孵った幼虫は、ほぼ一年を川で過ごすのだから、その一生は水か雪の上ということになる。
花の世界を知らない虫、クロカワゲラを思うとなにか哀切の情が湧いてきた。



キブシ(木五倍子)


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淡黄色の花が鎖状になって、いくつもぶら下がっています。名前を思い出そうとするのですが、海馬辺りで何かにしがみついているらしく、なかなか思い出せません。帰って調べると「キブシ」。果実を五倍子(ごばいし;フシ)の代用として黒色の染料にするのでこの名前がある。
五倍子とは何でしょうか!?さらに調べると、ヌルデの若葉などに寄生したヌルデノミミフシが作る瘤状(こぶじよう)の虫癭(ちゆうえい)。紡錘形でタンニンを多く含み、染織・インク製造に用いるほか、昔は婦人のお歯黒に用いられた。
つまり「瘤状」を「節(ふし)」と呼び、「キフシ」が「キブシ」に。なんだか、ややこしい命名です。


花より団子


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桜が咲けば人が集まります。ここは新宿御苑。江戸時代に高遠藩主内藤家の屋敷があったところで、明治時代に皇室の庭園として整備され、今は国民公園として開放されています。寒桜が咲いていると聞いて見に行ったところ、カメラを桜に向けたまま固まっている人たちがいました。見上げるとものすごい数のメジロが集まっていて、花の蜜に夢中です。鳥にとってはまさに「花より団子」のようでした。


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日光沢温泉(4)


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岩の上に残るソフトクリームのような雪


朝食後「オロオソロシノ滝」という、まるで童話に出てきそうな、見ずにいられよか〜と思わせる滝にアタックする。しかし滝までの雪が深く、トラバースする急斜面では雪崩が覆い被さり断念。小屋に戻ってから、4回目の温泉を楽しんで下山を開始する。降り続いた雨は雪を融かし、景色を一変させていた。川を覆っていた大半の雪が消え、瀬音の響きが大きくなっている。さまざまな野鳥の声も聞こえてくる。こうでなくちゃ〜と、女夫淵温泉に続く森の道を楽しみながら下山した。



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Oさんの写真。トリミングが上手いなあ。


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氷瀑や滝が次々に現れる


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新緑の道を想像しながら歩く


日光沢温泉(3)


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奥の襖を開けると囲炉裏があった。この部屋は知らなかった。



温泉をでると直ぐにプシュッ!と缶ビールで乾杯!この小屋はサッポロビール主義なので嬉しい。そして目の前には薪ストーブが燃えているのだが、これは少しガックリ。炎を楽しめるはずの耐熱ガラスが、長い時を経たせいなのか、汚れていて中がよく見えないのだ。薪の燃えるのを見て呑めるよと、Oさんにも話していたのでこれはショックだった。仕方がないから部屋に移動してコタツに入り、お互いが持参してきた酒を確認する。Oさんは日本酒でこちらはワインの赤。ツマミを総てテーブルに乗せ、外の雨音を聞きながらチビチビ始めた。



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15年前はピカピカで、ずっと薪の炎を見て楽しんでいたのだが・・・


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歴史を刻む柱時計の下にはワイン各種が。


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チャング、わらび〜また来るからね〜


日光沢温泉(2)





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これは雨が上がった翌朝、高台の風呂。雪がすっかり融けていました。


さて一昨日の続きです。濡れ鼠となった友人のOさん(北アルプスの燕岳以来の山行)と共に、着替えを持って風呂場へ直行です。内湯には目もくれず、はだか姿にサンダルというミョーな格好で露天風呂までダッシュ。なんせ霙になりそうな雨がカラダを打つので、寒いのなんの。湯は淡いブルーの硫黄泉。湯に首までつかり、目の前の崖にぶら下がる大氷柱を見て、辛かった後に訪れる幸福の大きさをしみじみ語り合いました。鬼怒沼までの道やここの宿の良さを話すと、Oさんはすっかり気に入った様子。この後のビールも楽しみになってきました。


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こちらは白濁しています。

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こんな階段を下りていきます。行きはヨイヨイなんですが・・・。


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はい、こちらが母親のチャングです。


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部屋から手を伸ばしてパチリ。




春の選抜高校野球が始まりましたが、
石巻工業高校の主将の阿部君の選手宣誓に感動しました。
ぜひお聞きください。




日光沢温泉


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腰の痛みとリュックを携えて、週末に日光沢温泉に入りました。雨男の行くところは、決まって雨。「オイラが行けば嵐になるぜ」とか「温泉、温泉」と萎える気持ちを鼓舞し、女夫淵温泉からの雪道約三時間、降りしきる冷たい雨のなかを歩き続けました。宿が見えた時は、力が抜けるほどの安堵感。久々にバテました。15年ぶり三度目の山小屋は、何も変わっていません。故郷に帰ってきた嬉しさが込み上げてきました。



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変わったといえば二匹の柴犬。親の「チャング」と子どもの「わらび」です。柴犬が好きなのでメロベロになって遊びました。まあ〜よく毛が抜けるね〜。二匹ともメス、つまり「シバの女王」!?


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日光沢温泉は分校のような山小屋で、木造の二階建です。温泉は屋内のほかに、野趣あふれる露天風呂が二つあります。夜、満点の星のなかに、北斗七星がひと際はっきりと輝いていました。



クリスマスローズ



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明るい日差しを受けているクリスマスローズ。季節外れの名前を知っているのか、なんか照れています。名前はローズとありますが、じつはキンポウゲ科。フクジュソウやオダマキ、秋明菊、ラナンキュラスなんかもその仲間で、種類が多いのです。***キンポウゲより「クリスマスローズ」や「秋明菊」のほうが、グッグと心に響いてきます。名前は大切ですね。



シロバナジンチョウゲ


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白い沈丁花の蕾が、春の光を受け、押し合いへし合いをしながら、咲きたくてうずうずしているように見えます。紅花色の沈丁花よりも蕾が多いので、開花すれば花は重なりあって、凄い香りがしそう〜。きっと今年は、北国の春のように、次々に蕾が開花していくのではないでしょうか。
花も人も、もうすぐ我慢が終わります。




オッタチカタバミ


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植込みの中のオッタチカタバミが咲き始めました。これはほぼ例年通りです。開花期間が長いので、いつのまにか見過ごしているのですが、最初は新鮮。旬の食べ物と同じで、季節が巡ってきたことが分かり、なんとも嬉しいものです。茎が立ち上がることから名前がついたので「おっ立ち方喰」。なんだか花の名前とは思えません。でも立ち上がるというのは、いいですね。


*昨日の金星&木星を見ることができませんでした。よく見えたんでしょうね〜(-;) 


ユキヤナギ


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同じ木々の蕾を眺め続けていると、最初に綻んだひとつには、何ともいえない愛おしさを感じます。ユキヤナギの小さな芽から、白い花になるまで随分と時間がかかりました。温かくなっていくとポツポツと開き始め、やがて雪が舞うように枝いっぱいに花が連なるはずです。寒さをすっかり忘れ、ほんわかした春に「雪柳」なんて、くすぐったく、ずるいような風情のある名前です。



黙祷



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家からわずかの圓照寺の枝垂の梅が見事です


昨日、神田川沿いを歩いていると「もうすぐ2時46分になります。ただいまより黙祷を・・・」のアナウンスがあったので、すぐに帽子を取り、北の方角を向いて黙祷をしました。しばらくしてから廻りを見渡すと、多くの人たちが黙祷をしていたことが分かりました。きっと全国でこの風景が見られたんでしょうね。ちょっと温かな絆を感じました。


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まあ、柳のような細い枝からも蕾が吹き出でています

満160歳


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威風堂々とした狛犬。昨日の井草神社で本殿の前に鎮座していました。年号を見ると嘉永六年と彫ってあるから、西暦にすると1853年。つまり約160年もの間、ここで番をしていることになる。この年にはペリーが浦賀に来ているし、二年後には安政の大地震も起きている。多くの庶民は大事を恐れ頻繁にお参りに来たはずだから、この狛犬は着任早々から江戸庶民の心配顔を見ていたことになる。歳を重ねてきたせいか、心なしか顔が丸くなっているようにも見えます。


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流鏑馬

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杉並区にある善福寺公園のそばで、撮影の仕事が思ったより早く終わったので、井草八幡宮の境内を歩いた。じつは若い頃、ここから数分の今川町という閑静な住宅街の一角に住んでいた。だから八幡様の境内とこの周辺は詳しい。休みの日の朝は、二日酔いの頭を覚ますために、この鳥居をくぐって善福寺公園までの道をよく歩いた。大鳥居から社務所までは150メートルくらいはあるだろうか。5年に一度催される「流鏑馬」の日は、おおいに盛り上がる。清掃をしていた方に話を伺うと、今年がその年で、秋に行われるという。たくさんの見物客が集まるため、トイレに立つともう戻れないとおじさんは、何度も口にした。どうやら苦い想い出があるようだ。



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ちょうどここが真ん中辺り


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歴史があるから風格もある


沈丁花


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昨年の今ごろは、良い香りをさせていた沈丁花。半月もこんなままです。でも今日のような温かさが続けば、歩いている人を、おやっとさせるでしょう。さて「チンチョウゲ」なのか「ジンチョウゲ」が正しいのか!?調べてみると学術名では「ジンチョウゲ」。香木の「沈香(じんこう)」のような良い匂いがあるところから命名されたようです。


コブシ(辛夷)



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雨に濡れた後の動物の毛足みたいです。春一番の白い花といえば辛夷ですが、ようやく脹らんだ芽にもフワフワした毛が生えてきました。雪や雨、そして今年の寒さ、いつもよりこんもりしているのではないかと触ってみました。一本一本がとても細いのか、とても滑らかです。
春先の河原で山頂に向かって手を振っているような辛夷を見かけると、今年も山登を始められるという喜びが溢れてきます。
辛夷の名は、花のカタチではなく、果実が拳のようにゴツゴツしているところから付けられたようです。近くにあるモクレンの芽はまだ固いままでした。


和のよそおい



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春は名のみの〜風の寒さや〜♬、今日は暦の上では、二十四節の啓蟄に当たる日だというの、この雨と寒さ。早春賦の歌詞が沁みてきます。暖かさが訪れた週末、山種美術館の企画展「和のよそおい」を観てきました。「和のよそおい」なので和服のたしなみがテーマなのかな〜と思ったら、なんとなんと、華やかな和服女性の作品ばかりで思わず頬が緩みました。伊東深水、上村松園、鏑木清方らの美人画が約60点。浮世絵や近・現代の日本画・洋画など、艶やかな色彩の作品が並びます。舞妓や初々しい娘、そして若妻らが、伝統的な着物や帯と、そして独特な髪形には髪飾りを身につけ、和装のもつ美しさと日本女性の魅力を余すところなく伝えていました。小倉遊亀や片岡球子の力強い作品と比較するのも面白いですよ。

・山種美術館「和のよそおいー松園・清方・深水ー」3月25日(日)まで。



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土牛の作品も


都電荒川線



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箕輪駅


東京に残った唯一の都電が、早稲田から箕輪までの約12キロを結ぶ荒川線。世田谷区内を走る東急世田谷線と同じよう、住宅地の間を縫うように走りますが、時折交通量の多い道路にでます。そのとき車に乗っている人から見られているようで、ちょっと気恥ずかしく感じるのは何故でしょう。もしかしたら心地よいのかもしれません。そんな気分を高めてくれる昭和のレトロな風景が駅や沿線にいくつも見られます。



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ご存知!


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箕輪商店街にて


弾ける



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じっと我慢していたのでしょうか。弾けるような勢いでネコヤナギが芽吹いていました。まるでピーナッツの殻を破っているかのように見えます。寒さが続いていたので、今年の春の花はどれも鮮やかな色を期待できそうです。


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梅も負けじと吹き出しました