2025年1月

アオキ


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人の少ない高尾山の三号路にアオキの実を見つけた。この実を見るといつしかのヒヨドリを思い出す。

小さな庭のあるマンションに住んでいた頃、庭の片隅にアオキがあって、秋に赤い実をつけた。週末、一羽のヒヨドリが飛んできて、瞬く間に全ての実を食べ尽した。食べるというより呑みこむ、そのスピードの速いこと、アオキは寂しい姿になった。

いま思うとあのアオキ、ヒヨドリの糞から育った一本だったのかもしれない。

テイカカズラ


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おっ、これはもしかして、ケセランパサラン?。蛇滝コースを下りてくると、目の前を綿毛が飛んでいった。追いかけて手にすると大きな種子が付いている。ケセランパサランには、こんな種子はついていなかったはず・・・。

調べることに長けた友人に写真を送ったところ、テイカカズラではないかと返信が来た。テイカカズラは大好きな花なので、よく知っているが、あの小さな花にこんな大きな種子が出来るのだろうか!?

ググってみた。テイカカズラは花を咲かせた後に、袋果という種子の入った鞘をつくって、冬になると縦に裂け、綿毛のついた種子を飛ばすとある。その写真、見つけたこれと同じだ。

この山のどこかでテイカカズラが咲き、種子は風に乗って飛んできた。想像をして、感心する。競争の少ない冬に種子を飛ばし、枯れた草地に着地させようとしている戦略。

そのためにこんなカタチになった・・・・手に乗せると、再び風をとらえ、飛んでいった。

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咲いているときは、風車のよう

イマジネーション


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ゆれる、ゆらめく、ゆらめき、かがやく、うつろう、さそう、はるめく、びみょう、ひかる、ながれていない、とうめい、すんでいる、おみとおし、さざなみ、こもれび、みずかがみ、うまれたて、うみへかえる、きらめく、あみのめ、にじむ、ゆうわく、きえる、きこえる、こころもよう、あんねい・・・

梅一輪の


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高尾山の下山コースの中で、もっとも人気がないのは蛇滝コースだろう。人の往来が少ない。なぜか。思いつくのは、①名前が良くない ②急坂でやや危険 ③北向なので陽が当たらない。これでは、選ばれないかもしれない。

ところが登り口には、高尾駅まで続く川沿いの道が待っていて、初夏、カジカガエルが鳴き声やカワトンボの優雅に舞う姿に出会える。いまは川音を聴き、橋から川底を覗くくらいしか楽しみがないのだけれど。

長い土手をゆくと、梅の木に八重の一輪を見つけた。夕日を受けてシベを灯しているかのよう。ほんのりとした高貴な香りも好くて、疲れが和らいだ。

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千秋楽、木村庄之助の装束を見て、笑ってしまった。まるでワンちゃん。

郵便料金


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引き出しの片隅に小箱があって、切手が何種類も入っている。収集しているわけではない。郵便料金が上がるたびに、余った切手を有効に使おうと購入した差額分用の切手だ。

頻繁に値上げするので引き算、足し算しながら1円、2円、5円.10円の切手を貼っていくと、足りない・・・そして不足分を買いすぎるという悪循環を繰り返している。

鈍感力


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今年の冬は寒いと云う予報が出ていたが、気温が高い・・・先日、キリマンジェロ、ブータンの氷河がほとんどが融けている映像が流れていた。地球の広い雪面は太陽の光をはね返して一定の温度に保ってきたが、融けてしまうと土が光を吸収して温暖化を加速させるという。

ホッキョクグマは、エサとなるアザラシを諦めて、山に入ってトナカイやカラフトマスを襲いはじめた。海水温も上がって生態系が変化している。

山も海も敏感なのに、あの人はいつまで無知を続けるのだろう。

メジロ


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関東では、もう花粉が飛び始めていて、飛散は平均より多目の予想。そんなこと、このメジロたちは知らない。

喧しい鳥の鳴き声。見上げると、ムクドリとメジロが仲良く、柿の実を食べていたところに、ヒヨドリがやって来て、追い払っている。数羽のムクドリは逃げいていったが、メジロたちは素早く飛び回って、逃げるどころか平然と柿の実を啄んでいる。白い目?を時おりヒヨドリに向けて、なんと逞しいこと。

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よく見ると右にスズメがいた

冬、都内でメジロをよく見かけるようになった。この小さな鳥は動きが早く、群れていることが多いので、天敵に襲われることが少ないのだろう。小さな鳥の逞しさに、元気をもらった。

シモバシラ


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今年二度目の山登りも、山仲間と続けている高尾山参拝登山。週末の冷え込みで、氷の花といわれるシモバシラを見ることができた。

これは、シソ科のシモバシラという植物に起きる冬の現象。根から吸上げた水分が枯れた茎からしみ出し、冷えた外気に触れて凍っていくことで出来る。

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小さなものしか見られなかったが、冬の現象の一つに偶然出会えることは、嬉しいものだ。

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すぐに名前が出ず、アケミなんて言ってしまったマユミ。冬の光を浴びて、紅梅のように輝いていた。

いのち


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先日の関東新年歌会にこんな歌を出した。娘のお腹から聴こえてくる命の響き、その心音の速さに驚いた。感動と未来と不安とが、沸き上がった。

人生初の孫歌。この歌を出すのであれば、作者を伏せようと決め、周囲に話すのを控えた。

でも、ようやく解放された。あちこちでじいじになったことを伝えまくっている。果たしてこの星は100年間、無事だろうか。

両腕に感じる重さは、未来への責任の重さのようでもある。

初氷


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今年初の吟行歌会は、武蔵野を散策。朝方の冷え込みで、初氷を観察できた。霜柱もできたようで、土が光っていた。

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小川に近づくと、ひっつき虫に抱きつかれた。それを取っては、誰かに付ける、そんなことを繰り返していた日があった。
こんな小さな川に魚がいるのだろうか。鷺が水面を見つめながら、歩いていた。

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冬鳥


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食べていくのは、鳥も大変なのだなあと思う。とくに寒気が流れてくる今ごろ、凍らない水場でエサを探す冬鳥たちを見ていると、よくこの寒さを耐えられるものだと感心する。

水草だけでどれほどのエネルギーを得られるのだろう。凍てつく夜は、顔を羽に埋めて一夜を過ごす。冬鳥にはなりたくないなあ。

早春賦


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春は名のみの風の寒さや・・・と、つい口にでる。日が射していても一陣の風に身が縮こまってしまう。すっかり寒さに弱くなってしまった。

見るべきものが少ないこの時期こそ、己を見つめる時間なのかも。やや膨らんだ希望のような蕾を見上げる。

年賀状


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年賀状が来なくなった。止める人が多くなっているとは聞いていたが、ここまでとは。とりあえず届いた人だけに書こうとしているのであれば、そこで賀状は途絶えることになる。

ペンを持つことが少なくなり、スマホの指だけが動いていく。読むことはあっても書くことが少なくなり、やがてサインだけの日が来るのかもしれない。

冬戯れる


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冬戯れとは草木が枯れ果てて寂しい様子をいうとあった。日常では使われることが少ない言葉だと思う。
枯れ果てて好いのは、陽射しが入ること、そして遠望が利くことだ。命がほとんど消えてしまい、楽しみを見つけるのが難しい。

ところが高尾山の中腹から意外な山を見つけることができた。北高尾の八王子城跡のある城山である。へえ、こんな台形のカタチをした山だったのか。北条氏が築城した山城で、今までに何度も登った山だ。

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枯れても散らないヤマアジサイ
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どれも顔に見えてしまいます

おめでとうございます


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高尾山の中腹で見かけた梅花カラマツ

その人に気づいたのは、信濃町駅を過ぎたときだった。読みかけの本から目を上げると、斜め前の席に居眠りをしていたその人は、大きな頭で白髪まじり、黒縁の丸い眼鏡、口ひげ。黒のカバンに置かれた両手、その右手クスリ指に細い指輪、身長の割には靴が大きい。なんとも可愛らしくも見える。

いい感じだ。なんだろう、この惹かれる感覚は。思わず声をかけたくなった。「少しお話ができますでしょうか、怪しいものではありません。・・・」。そんな言葉を浮かべながら、結局、四谷駅で下りた。人にときめいたのは久しぶりだった。

新年ですね。明けましておめでとうございます。
歩キ眼デスは、16年目を迎えました。本年もマイペースでいきます。今年もお付き合いいただけますよう、よろしくお願いいたします。