縦走


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いつかいつかという人に、いつかはやって来ない。
そんな諺を覆そうと、陣馬山〜高尾山縦走を試みた。30年前くらいからいつかは歩いてみようと思いながら、理由をつけては逃げて、時間だけが過ぎて、体力の衰えがやって来た。

エスケープルートがいくつもある、体力の限界が来たら何処からでも下りられる。それを担保にして陣場高原下へ向った。底沢峠への登り慣れたコース、早朝に降った雨のせいで滑り易く、湿度が高く苦しんだ。しばらく一人の山行から遠ざかっていたので、マイペースがつくれない。

肺にたっぷりの空気を入れようと、何度も深呼吸をする。テンポよく登ろうとするが、昔のようにはいかない。もがき苦しみ一時間後、ようやく尾根に出る。やれやれと水分を摂り、息を整える。

人影が少ない。いつもなら次々に人が通る賑やかなコースなのに、どうして?朝方の雨か、お盆の最後だからか、こんな静かな縦走コースは初めてだ。よその山に来ているような雰囲気。

これは静かでいい、と地図を眺めてこれからのコース時間を確認する。約6時間、一つひとつのピークを超えていこう。カメラを手にゆっくりと歩き始めた。

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底沢峠、堂所山、景信山、小仏峠、城山・・・ここを通過したときに声がかかる。「おっ!」とお互い顔を見つめて、直ぐに思い出せない。そして二人超えを合わせ、「お〜こんなところで!」と笑顔になる。

定期的に通っている落語会のメンバーだった。まさか、こんな所で会うとは〜。五分ほど話をして「高尾まではキツいよ」の声をいただきながら、もう少し頑張ろうと思った。一丁平でようやく一休み。
霧雨も上がってきたので、ザックカバーを外して記念の一枚を撮る。

このリュック、もう15年、相棒となって全国の山を登っている。ここで終わろうかとリュックに相談する。なんとか高尾山まで辿り着き、ケーブルカーで下りてはと応えたような気がして、ならばとステッキを取り出し、気合いを入れる。

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なんとか高尾山に辿り着くと、膝はガクガク。休憩をしながら考える。ここまで来たのだから、高尾山口まで歩き通して記録に残そう。転ばぬように稲荷山コース(約一時間)をゆっくり下りはじめる。いつからこんな木段が続くようになったのだろう。ときどき足を踏み外しそうになる。

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展望台にようやくついたとき、足がつった。両ストックに支えられながらの下山。持参して良かった。ケーブルカーの清滝駅に着いたときはホッとした。歩き時間だけで6時間。三万歩をゆうに超えていた。久しぶりの達成感。やれば出来る。

そして二日目、ふくらはぎの痛みは、なかなか引かない・・・

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