2024年5月

未来


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若竹誕生〜


生命の源は海。生物は進化を遂げて陸に上がり、環境に適応しながら繁栄を極めてきた。その生命が、海のさじ加減で脅かされようとしている。

地球の環境を治めているのは海。海は、酸素をつくり、海流、風、気温をつくって、私たちへ届けている。海水温がほんの僅かに上がっても、災害に繋がることも分かってきた。

49.9度って、どんなだ。インドのニューデリーで凄まじい炎暑が続いている。科学者の予測より早く、地球環境が悪化しているのではないか。

彼らは云っている。「C02を減らせば、温暖化のスピードを遅くすることができる」と。もう元へは戻らないのだろうか。

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未来を託す子どもたちと明日は洞窟探検

網棚


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スポットライトが当たっていた

人の少ない電車の座席から、網棚を見ていた。何も載っていない。

まだスマホなんて無かった時代、通勤の男たちは、混んだ車内で、タブロイド判の夕刊や週刊誌をタテに折って読んでいた。

駅の販売店(キオスク)には、トップ記事の見出しが大きく貼られた籠に「夕刊フジ」「ゲンダイ」が高く差し込まれていた。男たちは、次々と小銭を置いて引き抜いてゆく。読み終わった新聞、週刊誌は、網棚に載せられた。

それを次の者が読み、また網棚に・・・最後は回収者?が車内を渡り歩いて、漫画、週刊誌、新聞をす全て持っていく。駅の外で、まだ新しい週刊誌は半額くらいの値がついて並べられていた・・・そんな風景を思い出していたら、到着駅に着いた。

オトシブミ(落し文)


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オトシブミをいただいた。手に載せれば、丸い木漏れ日も一緒。緑が山を覆うと、虫たちがそれを食み、鳥たちがヒナのためにその命をいただく。循環しながら自然のバランスは、保たれてきた。

世界各地の災害のニュースは、ここずっと賑やかしい。2050年までに・・・、なんてニュースを見ながら思ったこと。
はて!? それまでこの星は保つのかい?

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このタイプは、初めて〜。これは落ちずに!?、葉は幼虫に食べられていく

百蔵山(1003m)


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先月の高川山よりも楽なはずが、なかなかどうして、百蔵山は変化にとんだ山だった。とくに山頂直下の約100メートルは、鎖、ロープが連続して気が抜けない。しかしなんとか登り終えると、平坦な山頂が現れて、我らを大いに喜ばしてくれた。

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近づくとそれなりに迫力がある
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登り口は優しげな道だ
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鎖を握ると緊張感が走る


中央線の猿橋駅よりバスに乗って、百蔵山登山口で下車。しばらく勾配のある車道を歩く。ウグイス、ホトトギスの声を聴きながら、五月の緑と風をうけて進む。エゴノキ、テイカカズラ、カメノキの白い花から好い香りが漂う。

富士山は、今月も恥ずかしがってか、雲の中。歓びが半減だよなあ〜と思いながら、暑くも寒くもないお天気に恵まれて「秀麗富嶽十二景・七番山頂」の百蔵山でのんびりの五月の山を楽しんだ。

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下山すると麓にはこんなお出迎え
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猿橋は日本三大奇橋の一つだ

昆虫撮集


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バス停の日影で下りると、川からカジカガエルの涼やかな声が聴こえた。この声が聞こえるということは、カワトンボたちも舞っているはずだ。

春の終わり、カジカガエルが鳴いて、しばらくするとエゾハルゼミが啼き始める。そして花は一気に咲いて、新緑も高みへと登りはじめる。

命が山に増えてゆくと、子どものようになる。光を受ける命たちの輝きだ。

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路地


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路地が好きだ。気がついたらフラフラと入っている。喧噪からひょいと逃れて、とても落ち着く。ストレスが溜ったときは、路地の散歩をすすめたい。

知っている路地であれば、あの花は咲いたかな、ネコは元気でいるかなとか、入っていく楽しみはいくつも浮かぶ。匂いや音、そして季節感も味わえる。

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ネコたちはお昼寝でした

ツレサギソウ


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サギソウには見えないのだけど・・・


ごめんなさいと追い抜いていった女性が、数メートル先のササヤブに入って撮影を始めた。一度通り過ぎたが、気になって戻り「その花は珍しいんですか?」と聞いてみると「***です」と早口に云われて、立ち去った。

初めてみる花だった。近くのプレートには「盗掘は犯罪です・・・」の標識があったので、山の管理者が植えたのだろう。

撮影して山仲間のLINEに載せると、間もなく「ツレサギソウ」の報告がきた。サギソウだから、つまりランの仲間。花のカタチが特徴的だ。横から見ると仔象のようにも見えて可愛い。

木漏れ日


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新緑が終わると、木漏れ日だ。風が少しあると、木々の透き間を通った光は、地面で丸い点滅を繰り返す。
光と影が織りなす悪戯を見ていると、目眩を起こしそうになる。

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リニア


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ゆっくり旅を楽しもうよ
水がないと干上がるぞう


日本も干ばつか?と、ひび割れたため池の底の写真(昨日の朝刊)を見つめた。水位低下は、進められているリニア新幹線のトンネル工事が原因と考えている(JR東海・広報部)のコメントが加えられている。
悲しいかな、反対していた人たちの懸念は的中した。

決まった事だからと工事を進めているが、得るものよりも失うものの大きさに、なぜ気がつかないのか。生活や自然への影響が起き始めても、頑として立ち止まらない(今朝、JR東海社長・工事一時中断の記者発表)。

オリンピックも万博も、そしてリニア新幹線と環境を顧みない無駄遣いを繰り返し、負の遺産を残していく。

因みに「リニア」とは、直線的であることや一直線に進むことを表す言葉らしい。アホらしくて腹立たしくなる。

大吉原展


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辻村寿三郎の花魁道中が想像の世界を広げる


「あでやか」「つややか」と打てば、どちらも「艶やか」と出る。まさに浮世絵師たちがこぞって描きたかっただろう世界「吉原」がそこにあった。

吉原は250年間も続いた幕府公認の遊郭。今では考えられない、許されない制度でありながら、贅沢で非日常で虚構の世界は、最先端の流行発信の場でもあった。

歌麿、北斎、広重など天才絵師たちの作品ほか、世界各地に流失した美術品が集められ、吉原の歴史に合わせて展示されている。

沢山のカンザシを差し、厚ぼったい着物を幾重にも纏って、美を極めていくとこんなファッションになってしまったのかと不思議に思いながらも、外の世界を知らぬままに、命を落としていった遊女たちの生涯を考えずにはいられなかった。

五月の空


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つい見上げてしまうポプラ


五月の空と大谷翔平はよく似合う。抜けるような笑顔で、空に未来を描く。

五月の空は
大谷翔平
抜けるような笑顔で
ありえない未来を
描いてみせる

ポプラは小学校の校歌のなかで歌われていた。大谷翔平を見ていると、このポプラを重ねてしまう。どこまで伸びていくのだろう。
五月の空と大谷翔平を見ていると、この世に哀しみなんてあるのだろうかと思ってしまう。

木漏れ日


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ランチの後、友人Sとテラスのあるカフェで、なぜか老いの話になった。五月の木漏れ日を浴びているというのに・・・。

中学校時代は、恋や音楽の話をあんなにしていたのに、気がついたら「老い」だって。
笑ってしまう。違う世界を歩んできたけれど、流れていった時間だけは同じということ。

ほんの一時間、タイムスリップと柔らかな不安を楽しんで、仕事に戻った。

五月場所


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風下へニオイバンマツリの香りが


お天気がよく変る。大きな雨雲が列島を北へと流れている。五月晴れは、もう五月雨に変ったのかと、五月のつく言葉を思い浮かべた。

そういえば五月場所も荒れている。力士の力が拮抗して、下克上のような勝負が展開され、負けた大関、横綱らが下を向いて土俵を下りていく。

相撲協会はドキドキだろうが、観る側は実に楽しい。千秋楽まで楽しませてもらいたいが、どうなるだろう。

トキワツユクサ


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三つの花びらをもつ花は多くない。だから、見つけるとつい見入ってしまう。
トキワツユクサは、帰化植物。原産地は南アフリカだから、随分遠い国からやって来たものだ。
花言葉は「尊敬」。

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アケビの花も今ごろか

少年


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新緑の季節は、水の季節でもある。山の雪融けが始まり、川音が勢いを増して涼やかに聴こえる。

子どもが川に向って石を投げている。ずっと眺めていたのだが、終わることがない。何がそんなに面白いのか。
いやいや、同じことを一人でしていたことがあったはずだ。

そんなことが面白いのだ。この日を彼は、記憶することだろう。いつかなんかのときに、ポチャンと響く水の音をきっと思い出すはずだ。


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紫陽花の前にカメノキの花が咲き始める

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ハクウンボクの花が愛らしい

トウダイグサ


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新緑に目を奪われていると、足元には珍しいトウダイグサ。まさに諺の通り、灯台下暗し、気がつかなかった。

調べると灯台ではなく「燈台草」となっているので、燈火のカタチを名前にしたことがわかる。辺りの草が、ほぼ鹿に食べられているのに、この草だけが残っているのは、有毒だからだ。

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食害に遭わず群生するトウダイグサ

GW


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水面に映るみどりが眩しい

今年のGWは、お天気に恵まれ、どこの観光地も一安心だったのではないかな。昨年のGW後半はお天気が崩れ、家で大人しくしていたことを覚えている。

毎年GWは、静かな東京を満喫している。道路は車が少なく静かで、高級リゾート地のような佇まいに変る。地図を眺めながら、訪ねたことのない公園や美術館の近くまで行き、すこし歩く。安・近・短。

遠くまで行かなくたって〜なんて、負け惜しみでは、ない。

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珍しいホオノキの花
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いま、バラの香りが芳しい

白い椿


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椿の季語は春。次の季節を暗示させるかのように、箱根の山道に白い椿の花が、点々と散っていた。

昔、日本には白い喪服で送るという風習があり、白は再生、決意や悲しみを表すという。そんなことをふと思い出した。

アオモミジと終わる白い椿、なにか季節の間を歩いているかのような気分になった。

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青紅葉


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青紅葉という言葉は知っていた。知っていたし、見ていたはずだった。けれど、息を呑むほど美しいとは知らなかった。

枝垂れているなかに入って見上げると、若い葉は光を受けて、いくつものシルエットにさまざまな緑色を浮き上がらせていた。

この時期にしか見られない、光と新緑だ。

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